【政界ウラ話】
今回は、自民党内部で密かに広がりつつある、反安倍勢力の問題についてリポートします。
名前は明かせませんが、全国紙政治部記者からの情報です。
自民党青年局長の小泉進次郎衆院議員が安倍晋三首相が政治生命をかける憲法改正問題に冷や水をかけた。
前日の衆院憲法審査会で憲法改正手続きを条項の96条改正をめぐる議論が交わされ、自民党は7月の参院選で大きな争点にすえる方向だ。
10日午後、衆院本会議場から出たところで、報道陣に囲まれた小泉氏は、憲法問題にたいする現時点の考えを問われた。
小泉氏は、用意していかのように、滑らかに語った。
「(安倍)総理は間違いなく、争点にしたいと思うだろうし、自民党という党自体も憲法改正を党是として掲げている党ですから、私もそれは理解をして、賛同するという前提の上で、私なりの思いをいえば、明日も(党青年局として)被災地にいくが、おそらく被災地の方々には響かないだろうなと。憲法改正とかそういう話の前に、目の前の生活があるわけだから。まだ仮設住宅から復興住宅に移り住んで生活を始めた人が、まだ少ない中でね。1日も早く災害復興住宅に移り住みたいという方がね、憲法の問題を考えられるかというとね、それ違うと思うんですよね」。
安倍首相が投げる改憲ボールを受けとめる空気は、少なくとも被災地にはないと言いきった。そのうえで
「国家全体、国の将来を考えたときに、憲法改正は間違いなく必要なことだけれども、いま被災地の復興の加速化が自民党政権の最重要課題のひとつだという中で、そこは、しっかりと説明を尽くしてほしいと(思う)」。
さらに報道陣がたたみかけると、小泉氏は
「参院選も勝って、ねじれを解消して、復興に対する政策もスピード感をもって進める国会にしていきたい。それに加えて、アベノミクスというのも、まだ、貫徹してないんですから。私のなかでは(改憲よりも)そういう方向での思いが強いですね」。
安倍首相は就任後4カ月連続で支持率を高い水準で保ったことに自信を得て、「安全運転」から一転、改憲と歴史認識見直しなどで「地金」を晒す路線へ切り替えた。このため訪米した韓国大統領は日本は正しい歴史の見方に立つべきと発言し、最大限の不快感を表明、アメリカ議会調査局報告書は、安倍首相を頑ななナショナリストなどと呼ぶなど、安倍首相にたいし懐疑的な見方や言動が噴きあげている。小泉進次郎議員の発言は、こうした空気を読みこんだ上で、あえて口を開いたとされる。
「安倍・麻生連合政権は、党内基盤が必ずしも強くはない。内閣支持率が高いから表面化しないが、不満や異論もくすぶっている。第一次安倍政権で挫折した改憲、歴史見直しの戦後レジーム脱却路線へ一方的に傾けば、党内は流動化する。小泉発言は、そうした党内の空気の狼煙(のろし)とみていい」
自民党ベテラン議員周辺は語る。
0 件のコメント:
コメントを投稿