「八重の桜」低迷する理由を山口・萩博物館特別学芸員が解説
2013.05.12
. . 初回視聴率21.4%(1月6日)と好調な滑り出しと思われたNHK大河ドラマ『八重の桜』。しかし、瞬く間に視聴率は落ち込み、最新話では13.8%(4月21日)と危険水域に近づいている。会津が舞台となる本ドラマは、震災で大きな被害を受けた福島への「復興」のメッセージが込められているだけにNHK関係者ならずとも心配なところ。
遠ざかるどころか、近づいてしまった--。第16回「遠ざかる背中」放映後、NHK関係者らは口々に嘆いた。シリーズ最低平均視聴率12.0%を記録した前作『平清盛』の背中が見えてきた、ということである。
主役の八重を綾瀬はるかが演じ、西島秀俊(山本覚馬)、西田敏行(西郷頼母)、市川染五郎(孝明天皇)、黒木メイサ(中野竹子)ら、人気・実力を兼ね揃える俳優を脇に従える豪華キャストにもかかわらず、低迷する理由はどこにあるのか。
幕末維新史に詳しい山口県・萩博物館特別学芸員の一坂太郎氏が解説する。
「一言でいうとじれったいんですよ。八重が主人公なのになかなか表舞台に出てこない。加えて会津藩主・松平容保(綾野剛)や山本覚馬ら男たちの視点が交じっているので、半分は八重、もう半分は男たちのドラマになっています。視点が木と鉄のように噛み合っていません。かつての大河ドラマの、秀吉の正妻・ねね(佐久間良子)『おんな太閤記』(1981年)のように、完全に女性視点にすればいいのにねぇ。あのドラマなんて女性の動きはほとんど想像です」
そこで一坂氏が提案するのは、仰天プラン。
「八重には資料が残っていないわけですから、『篤姫』(2008年)のように篤姫(宮崎あおい)が夫(家定=堺雅人)のケツを叩いたり、『江』(2011年)のように江(上野樹里)が信長(豊川悦司)にいたずらしたり。江なんて信長から手紙もらって『やったー!』ですよ。上野さんだから許されるし、そんなぶっ飛びがあるのはドラマならではでしょう。
八重だって『会津が勝ったらおっぱい見せます!』ぐらいの馬鹿馬鹿しい発言があったっていいんです。あっ、私は綾瀬さんの出演作のなかでは『おっぱいバレー』(2009年)が一番好きなので……」
※週刊ポスト2013年5月17日号
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